著者:エレナ・ポーター
訳者:村岡花子
1962年に発行された古い本です。
最近ビジネス書ばかり読むようになって、小説を読むのは久しぶりなのですが、ビジネス書読書会の課題本で文学作品も取り上げられるようになったことや、ビジネス書を読んでいてもスピリチュアルな部分が重要になってきているということも鑑み、改めて小説の世界に浸ってみようかなと思っているのです。
文学作品も読んで、人の心が分かる一段上の人になりたいなと思います。
それで、最初に選んだのが、この本、『少女パレアナ』です。
先日の読書会の時に、一ヶ月に50冊程度読書されているすごい方に、これまで読んできた本の中でよかった本を教えてもらいまして、その内の一つがこの本でした。
笑いはなかったのですが、最初から最後まで幸せな気分で読むことができました。最後の方は結構泣ける場面もありました。(僕もまだ泣ける)
物語は、主人公のパレアナが母と父を亡くして、母の姉に引き取られるあたりから始まるという少し悲しい出だしです。引き取られた先の叔母もちょっと偏屈で義務で引き取ったという感じありありです。
でも、パレアナはめげたりしません。というか、めげないように努力しています。でもその「めげないようにする努力」こそがこの本の主題です。
「めげないようにする努力」とは、パレアナが亡き父に教わった「どんなに悪いことが起きても、そのことに対して喜びを見いだす」という遊びです。ビジネス書的に言えば「ポジティブ思考」ですと一言で終わりそうですが、やはり小説です。そんな単語一つでは片づけられない感動があります。
パレアナは、おばさんの家まで遠いのを喜び、おばさんに会えたことを喜び、通された殺風景な部屋でも片づけが早く終わると喜び、窓の景色を喜び、といったようにすべてに喜びを見いだします。
それだけでは止まらず、その喜びの遊びをいろんな人に広めます。病気でつらい人、考え方が偏屈な人皆に、喜び方を教えます。そのパレアナの明るさ、喜び方に、周囲のみんなは魅了され、パレアナを慕うようになっていくのです。
そんな感じでいろんな人との関わりが描かれていくのですが、ある時転機が訪れます。パレアナが事故に遭うのです。両足が動かなくなると聞かされたパレアナは喜びの遊びができなくなってしまいます。二度と歩けないということに喜びが見いだせないと、遊びができなくなってしまったのです。
このパレアナが喜びの遊びができなくなってしまったことが村中に広まると、今まで登場してこなかった人々も含めて多くの人がパレアナの家を慰問します。直接パレアナには会えないのですが、「こうすればパレアナが喜ぶんじゃないかと思いましたのでこのことをお伝えください」と、村中の人が押し寄せて来るのです。
パレアナの明るい性格が、喜びの遊びが、村中の人を変えていたのです。喜びの渦に巻き込んでいたのです。
そして、パレアナに喜びを教えてもらっていたお医者さんが、事故後ずっとパレアナの容態について見聞きしたことで考えて一つの結論をもって、パレアナを訪れ、クライマックスに入っていきます。
パレアナの喜びの遊び周辺のできごとだけで本書を紹介させてもらいましたが、その他の重要な話も含めてほんとに楽しく読めた本でした。
喜びの遊び、ほんとにいい遊びだと思います。そして本当にすごいのは、パレアナが、その遊びを自然と人々に広めていけるところだと思いました。それは行動力というのではなく、パレアナの人柄なんだと思います。そんな自然な振る舞いを身につけたいと強く思ったのでした。
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