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2013年01月28日

落ちこぼれでもわかるマクロ経済学の本

落ちこぼれでもわかるマクロ経済学の本

著者:木暮太一




最近、経済の本を少し読んでるのだが、はっきり言って基本が分かってない。というか、基本を知らない。習ったこともない。ということで、本読んでても内容だいたい分かるけど、分からない言葉が結構あるし、マクロ経済ではと言われても実際のところピンときてないことも多い。

とりあえず、経済学の入門書を読んでみようかなと思い、手に取った2冊が、『落ちこぼれでも分かるマクロ経済学の本』『落ちこぼれでも分かるミクロ経済学の本』、初心者の僕には似合いの題名である。

とりあえず、マクロ経済の方を読んだのだが・・・、ザッと3回ほど読んだのだが・・・、落ちこぼれのさらに上を言っているらしく、未だスッキリしないままだ・・・。

聞くところによると、ミクロ経済学の方がイメージしやすいらしいので、いったんそっちに行こうかと思うが、とりあえず、今のところのマクロ経済学に対する理解、いやいや印象くらいかな、をまとめておこうと思う。

従って、この記事は嘘が多い。何を言っているのか分からない。という読むと時間を無駄にする有害なものであろうと思われる。

さて、中身だが、マクロ経済学の目指すモノは経済を大まかに捉えることだ。大まかに捉えて何がしたいのかというと政策を決めるためだと思う。政策とは、財政政策と金融政策の2つ。恐らく政府と日銀の政策決定の一つの指針になっていると思う。

どういう捉え方をしているかというと
経済に関する事柄に対し、その意味から事柄同士の関係を数式化し、複数の数式を組み合わせ、グラフ化し、何をどう変えたら、何がどう変わるのかというのを論理的に示し、捉えようとしている。

ただ、超入門書だからか、大ざっぱすぎて、とても緻密な計算をしているとは思えない。こんなので政策が決められているとはとても思えなかった。

っと、上から目線で言っているがそういう感想を抱いたのは事実だが、実は全体像が理解できている訳ではない。
・国民所得はどうやって決まっているのか?
・投資需要はどうやって決まっているのか?
・貨幣の供給はどういう意味を持つのか?
・雇用はどのように決まるのか?
・国際的な経済を考えるにはどうしたらよいか?
など個別的な部分を読んでいくと、うんうんなるほど、うんうんなるほどと読めるのだが、全体を通すと何と何がどういう関係でというつながりが非常に希薄である。

重要なところはISーLM分析なのだろうが、時間が立つとすぐにわすれそうな感じだ。

これは経済学の練習問題でも解けば少しは身についてくるものなのだろうか?

もう一つ、フラストレーションが溜まったのが、「古典派経済学はこういっています。」「ケインズはこう言っています。」というそれぞれの立場を説明するだけで、どちらが正しいかを結論づけようとはしていない点。少なくともこの本は。

古典派経済学が主張する「経済水準の大きさを決めるのは需要じゃなくて、供給である」という「セイの法則」とケインズ経済学の「どれくらい需要があるかによって、どれくらい供給されるかが決まり、経済水準の大きさが決まる」では、ケインズ経済学の方がしっくりくるねとのコメントはしているが、いかにも正しいことのように書いてある三面等価の原則(生産、支出、分配は同じになる)って、この古典派のセイの法則とケインズの有効需要原理の二つが成り立たないと成立しないのではないかと思ってしまう。
マクロ経済学がまだ未完成なのか、僕の理解が間違っているのか、よく分からないが、スッキリしない。

そんで、考えたのが「政策を出発点にしよう」というもの

恐らくマクロ経済学の目的が財政政策と金融政策の2つを決めるためのものとするならば、その政策にどんなものがあるのかというところを切り口にすれば、もう少し理解が深まるのではと思い。そんなまとめ方もしてみた。

財政政策
@お金を使う
A税金を徴収する
B国債を発行する

金融政策
@公定歩合操作
A公開市場操作
B法定準備率操作

ざっと読んだ感じではこんなところだ。

ISーLM分析からはこれらがどのように関係していてどういう効果がでるかが分かるらしい。どうやったら国民所得を安定的に増加させれるかが分かる。

IS曲線
国全体として見て、商品の需要と供給が一致する国民所得と利子率の組み合わせを表す曲線


LM曲線とは
国全体で見て、貨幣の需要と供給のバランスがうまくとれる国民所得と利子率の組み合わせを表す曲線

IS曲線とLM曲線の交点
「商品」と「貨幣」の需給バランスがとれている点、ここで均衡国民所得が決定

政府と日銀の財政政策と金融政策でこの交点を動かし望ましい点にする

財政政策を実施(政府がお金を使う)と国民所得が増えます。しかし一方で利子率が上がってしまう副作用も引き起こす。しかし同時に金融政策によって貨幣供給を増やせば利子率は上がらず副作用を起こさず、国民所得のみを増やすことができる。

なんかマジックみたいだなあ、結局やっぱりよく分かってない。

いったん、他のマクロ経済学の本も読んでみるか。



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2013年01月23日

超入門・グローバル経済を読んで

超入門・グローバル経済 〜「地球経済」解体新書

著者:浜矩子




たまに、テレビで見かけたことがあったのですが、髪の毛が紫色で信用ならん!という勝手な思いこみであまり耳を傾けることなくスルーしてました。

最近とある番組で、お見かけして話を聞いていると、共感・納得するところが多く、その言動も一本筋が通っていて、この人の本が読んでみたいと思っていました。ちょうど最近出された本があったので購入した次第です。

この本は今の複雑になった地球経済を解体して、その総体を理解しようという本であります。その解体の切り口は5つです。
@市場、A通貨、B金融、C通商、D政策、@〜Cまではその言葉の意味するところは何なのか?から、それぞれがどうあるべき今どんな状態になっているのか、ということが説明されています。これら切り口で世界経済とは今どうなっているのかを明らかにし、Dでこれから我々が進むべき道はどういうものなのかを説明されています。

結論から言うと、拍子抜けするかも知れませんが、そこに至る解明の道のりを経て結論をみると、なるほどそうしないといけないなと共感するものがあるでしょう。

ただ、本のまとめなので、結論から言うと

「これからのグローバル経済で我々が取るべき態度は合意に基づく協調である」

イメージしやすい事例が一つ上げられてました。

たとえば、ブラジルの例
バブル化が進むブラジルでは、デフレの先進諸国からむやみやたらと金がブラジルになだれ込んできて、たまったものではない。金融鎖国でもさせてくれよ!という投げかけがあった場合に、
その他諸国は、じゃあ一時的に金融鎖国を認めましょう。という風に、影響が大きい場合には相手国のことを考え、協調的な合意を結んで行くような態度です。

それぞれの切り口を説明して、どうしてこういう結論に至ったかを少し説明します。

各項目を解体して知り得たことの主は下記の通りです。

@市場
・グローバル化した市場には継ぎ目がない。
・グローバル市場ではヒトとモノよりカネが主役になっている。

A通貨
・ヒトが通貨だと認識するからこそ通貨は通貨足り得る。
・今や基軸通貨の時代ではない。
・1国1通貨の時代はひょっとすると終わりに近づいているかも?

B金融
・自由化とグローバル化の中で、金融から信用が消えた。

C通商
・ヒトとヒトがモノとモノを交換する。これぞ、人間による経済的営みの原点
・その通商が分断と排除の方向に向かいつつある。

D政策
・市場はグローバル経済でつながっているのに、政策は各国で別々に決められている。

まとめると、市場がグローバル化することでカネとカネのやりとりが目立つようになり、本来的な経済活動であるヒトとモノの関係が見えにくくなっている。加えて、その主役化したカネは信用があるからカネ足り得るのだが、その信用もできなくなっている。つまり、金融の自由化やグローバル化、ITの進展で、やりとりがあるいは金融商品も複雑化し、ヒト、モノ、カネの論理的なつながりが見えなくなり、いったい何を信用したらいいいのかも分からない。カネから信頼が消えている。通商に至っても、かつてのブロック経済を反省しできたWTOがかかげる理念、自由、無差別、互恵から反するような自由貿易協定などが横行し、自国の利益しか考えないようになってきている。こんな中で政策が各国で別々に行われていてもうまく行かないよね。
と言った感じだ。

市場がつながって、お金の信用がなくなっている。こんな状況では、各国それぞれが信用しあって、協調的な政策をたてて、この複雑化した世界経済を回していくのがいいんじゃないかな?ということだ。

それは、国々が鎖国してそれぞれ政策たててうまく回していくような世界経済以前のへの回帰ではなく、国々が一つにまとまるような単一の地球国家をつくるという遠い未来でもなく、地に足の着いたまじめな解決策のような気がする。

もう一つ、TPPについて分かりやすい解釈があったので紹介
その昔、第二次世界大戦を招いた経済ブロック、世界が経済ブロックによって切り刻まれることで、世界対戦に突入した。
TPPは一見すると自由貿易協定のように思えますが、不自由貿易に他ならないと説明します。ある一定の国々だけで行われる自由貿易協定は、参加国の貿易を促進しますが、その反面、それに参加しない国々との貿易を不自由にすることになります。このTPPやFTAなどは世界のくくり方が異なるだけで経済ブロックの促進であるという主張。
これが進むと、再び争いが起こるのでないかという懸念があるということです。

著者は、「自由貿易協定」という言葉に出会ったら「地域限定排他的貿易協定」と頭の中で変換してくだされば幸いですと述べられています。

TPPの見方や、世界経済の構造の捉え方など、すごく勉強になった本でした。他の本も見てみよっと!


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posted by air_water at 06:52 | 京都 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月20日

甲種危険物取扱者試験

この間久しぶりに資格試験を受けました。
受けた試験は表題のとおり(甲種危険物取扱者)です。

試験科目は3つで、
@危険物に関する法令
A物理学及び化学
B危険物の性質・火災予防・消火方法

です。

危険物の資格には甲乙丙と3種あり、甲種の試験は受験資格に制限があり、化学系の大学を卒業してない場合は、@乙種の1〜6の内の4つに合格するか、もしくはA乙種のどれかに合格し実務経験2年を積むかなどせねばならず、化学系の大学を出てない僕はとりあえずAの実務経験2年で受験した。

とりあえずというか、いわゆる2年ほど前に乙種4類を受験したということだが・・・。

@危険物に関する法令
乙種受けてて既に知ってたが法令は結構面倒、細かい数値を覚えとかなきゃいけない。例えば、危険物はある一定以上の量を保有取り扱いしようとすると許可が必要になるのだが、その量というのが、危険物の種類によって異なる・・・。それぞれ200gだとか、50kgだとか覚えとかないと計算できなかったりするし、火災が発生した際の延焼等の防止のために確保する保安距離などは住居10m以上、学校30m以上、高圧ガス施設20m以上など施設によって距離が異なる。こんな記憶が満載。
今回甲種受験にあたっても、2年という月日は強力でかなり忘れていた・・・。

A物理学及び化学
物理学及び化学は、まじめに勉強して思い出せば合格点は行く。

B危険物の性質・火災予防・消火方法
危険物の性質は、乙種の時はさほど感じなかったが甲種は広い。1〜6類すべてを網羅的に記憶する必要がある。乙種4類の時は4類のみで良かったのが6倍に増えている。2類と4類は仕事でも使用しているので多少分かりやすかったが、1,3,5,6類は結構苦労した。


ちなみに、甲種の試験の合格率は30%程度と言われている。

僕の受験した大阪は合格率が高く、40〜50%ということらしい。
それも、大阪の養成講習が充実していることが要因らしい。
この養成講習を受講すると60%程度の合格率があるらしい。誤差はあるが高いそうだ。

さて、私もこの養成講習を受講したのだが、やっぱりためにはなった。
確か9時〜17時を3日間だったのだが、1日1科目でポイントを教えてくれるので勉強するための核ができてよい。価格は確か2万円弱だったような。

僕の勉強もそこでもらった教科書2冊と例題集1冊をやりこんだ感じだ。

これが京都だと価格は6000円くらいだが、講習は1日で3科目すべてをやるらしいのだから・・・、他の県は調査してないが、時間に余裕があれば大阪で講習受けることをお勧めです。

勉強はどんな感じやったかというと、1ヶ月前くらいに養成講習に申し込むと2,3日ですぐに教科書が届いた。養成講習は試験日2週間前にあるので、それまではダラダラととりあえず教科書一通りは目を通した。完全ではないが分からないところはネットで調べて書き込みしたりもしていた。試験に出ないことに興味が沸き違うことを調べたりと効率はあまりよくなかったかも・・。
ちなみに養成講習が始まるまでは、趣味の読書はやめず読書会や講演会にも参加していたので、まだ試験モードではない。

養成講習が始まってからは、講習以外のほとんどすべての時間を勉強に費やした。暗記するように教科書を読み、試験一週間前には一通り例題集も解いた。試験二日前くらいには例題集4回くらいやり直しただろうか。

五択の問題なのだが、例題集のすべての選択肢のどこが間違いなのかが分かるよう、間違ったところは教科書で確認し丁寧に繰り返しやった。

試験前日は、予想問題集5回分を購入し5回とも合格点が取れた。

なんとかなるだろうと試験会場に向かったが、不安は不安で、直前まで教科書と例題集を確認しながら試験開始。

とりあえず合格した感があったが、合格通知が来るまでは半信半疑だった。

やっぱり、同じ試験勉強を2回もやりたくないという思いががんばる原動力になったのだろうか。点数はまずまず高得点でした。

試験前の土日は10時間くらい勉強してたと思うし、養成講習もあったからみっちりと60時間くらいは勉強したのではないかと思う。

試験は2時間半と長いが、複雑な計算問題が出るわけでもないので、時間は十分にあり、普通にやれば1時間程度で終わるのではないかと思う。早い人だと拘束時間の35分を過ぎるとすぐに退出する人もいた。
僕は不安症なので、悔いのないように、何回も繰り返し確認をし、2時間弱試験会場にいただろうか・・・。

たまには資格試験受けるのも緊張感があっていいよね!


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2013年01月19日

シニアシフトの衝撃を読んで

シニアシフトの衝撃

著者:村田裕之




特に最初の方は、最近読んだワークシフトよりも面白かったかも。

前回のブログ「デフレの正体を読んで」で、「遺産相続などで若い世代にお金が回れば消費してくれのではと考えられますが、驚きなのは日本では亡くなる側でなく相続する側の平均年齢が67歳だそうです・・・。」ということに触れたが、それが引っかかってて、昨日購入したのが本書です。

やっぱ、シニア世代をターゲットにしたビジネスだよね!

本書は少子高齢化や人口減少社会という危機をビジネスチャンスにしようということだが、はじめにで現状の課題を次のようにまとめている。

@高度成長期に業績を拡大してきた企業には、いまだに若者やファミリー層をターゲットにしているところも多い。年々売上げ減にさらされているにもかかわらず従来のビジネスモデルから脱却できない企業が製造業を中心にまだ多く存在している。

Aシニアの重要性に気づき、「シニアシフト」に取り組んでいるものの、苦戦している企業も多く見受けられる。シニア市場はマスマーケットではなく、多様なミクロ市場の集合体だ。だから従来の大量生産・大量流通によるマス・マーケティングに慣れきっている多くの企業は、この市場に対してどのように取り組めばよいのかの知識や理解が乏しく、正しいアプローチができていない。

僕も製造業の人間なので分かる気がする。サービス業なんかと違って設備投資が大きい分、なかなか過去の遺産を手放せず切り替えが難しいんだと思う。どちらかというとシニア市場ではなく、海外市場に目が向いているような気がする。

さて、最初はどういうシニアシフトの流れがあるかの紹介であった。

■大人用紙おむつ市場が、赤ちゃん用市場を逆転
・赤ちゃん用紙おむつ市場1400億円(2011年)
・大人用紙おむつ市場1500億円見込み(2012年)
 ※大人用紙おむつ市場は年率5%と成長しているらしい。

■平日昼間のカラオケ客の6割がシニア
・大半が昼間利用
・弁当持込で食べ物の注文はせず、歌い続けるスタイル
 ※シニア向けのカラオケには、健康食のカフェ、健康チェックができるラウンジなど備えているみたいだ。

■もはやファミリー向けではなくなったファミリーレストラン
・退職者の節約志向に合わせた価格設定
 ※退職シニアが一人で入店しても違和感のない雰囲気づくりが重要

■テレビの女子アナはおばあちゃん
・熊本県のインターネットテレビ局の天草テレビの女子アナはなんとおばあちゃん
 女子アナ最高齢は108歳(2012年現在)
 ※今朝のNHKで女子アナもおばあちゃんになるかもとか言ってたが、結構な率でそうなりそうな気がする。

ほかにもいろいろな事実が載ってたがこのくらいで


さて、こんなシニア市場の傾向が次に説明されている。

なるほどと思った特徴を3つ紹介

@シニア資産の特徴は「ストック・リッチ、フロー・プア」ということだ。多くの企業がまだシニア市場を「人数が多い、金持ち、時間もちマーケット」とみなしているみたいだが、実際は違うという。シニア世代の所得フローなどのデータなど示し説明されているが、簡単にいうと、「保有財産は多いが、月々入ってくる所得は現役世代に対して低く、そんなに消費にお金が回るわけではない。」ということだ。統計的な平均をみると保有財産には手を付けず、月々の収入分だけ消費しているようなイメージだそうだ。
そしてストックをフローに変えにくくしているのが、シニアの3大不安(健康不安、経済不安、孤独不安)だそうだ。なんとなく分かる。
やっぱりなかなか難しいんだねと思う。
フロー消費ではなく、ストック部分から切り崩して使うようなストック消費にはどんなものがあるのかというと、代表的なのは、金融商品、家のリフォーム、海外旅行、葬式、墓といったものらしい。


A前述したマス・マーケットではなく、ミクロ市場だということ。単純な年齢でのマーケティングではわからず、シニアの消費はシニア特有の変化で決まる。身体の変化、家族構成の変化、ライフステージの変化などを見極めた商品・サービス提供が重要
たとえば生活のダウンサイジング、退職して収入が減り、車を燃費のいいハイブリッド車に変えて、月々の出費を抑えるなどの傾向を把握する必要がありそうだ。

Bスマートシニアの増加で、市場の性質が変わった。シニア世代でもスマートフォン、タブレットでネットを利用するようになり、情報武装したスマートシニアが増加しているということだ。たとえば昔は、新聞に高級老人ホームの広告を出すと大勢の人が参加してくれ、ぜひここに入居したいという人が多数出た。その当時の入居一時金は平均5000万円程度今ではシニア世代がネットで商品をじっくり吟味してくるため、供給過剰になっていたという背景もあり、入居一時金が1200万円を超えると高いといわれるようになっているらしい。

こういう特徴は見逃さないようにしたい。

後のほうは、シニア世代問わず活用されているようなマーケティングの手法をシニア世代向けにアレンジして書いているといった感じだった。
ただ、初めて聞くような手法も多く役立った。
時間消費ビジネスの勘所は「連結連鎖」と「新陳代謝」のところなど、興味深い。

だんだん長くなってきたのでこの辺で

ストック・リッチ、フロー・プアやミクロ市場の集合体であること、スマートシニアの増加など、なかなか難しい点がありそうだが、今後ますます進む高齢化で内需を拡大させるには抑えるべき市場ではありそうだ。


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posted by air_water at 22:03 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月09日

デフレの正体を読んで

デフレの正体

著者:藻谷浩介




副題の通り、経済は人口動態によって動くのだ!ということを数値や推論などをもって示した本です。

なるほどという部分がかなりありました。

この経済は人口動態によって動くのだ!ということの数値的裏付けから今ちまたで言われている経済政策の正否について言及しています。

例えば
・経済成長は解決策ではない
・マクロ政策ではインフレ誘導できない
・日本の生き残りはモノづくりの技術革新にかかってはいない
・出生率の上昇では生産年齢人口減少は止まらない
・外国人労働者受け入れは事態を解決しない

こんな感じです。

ちなみに、著者の主張する有効な対策は3つです。
@高齢富裕層から若者への所得移転
A女性就労と経営参加
B労働者ではなく、外国人観光客・短期定住客の受入


さて、中身を紹介していきます。

著者の一番の主張は、経済は人口動態で動くです。
景気の波より、この人口動態の波の方が影響が大きいという主張です。
その人口動態で注目すべきは、生産年齢人口です。経済学的には、15歳から65歳となっています。

この生産年齢人口が減っているということがポイントで、単に労働力が減るというだけでなく、もっと見逃しがちで重要なポイントは、生産年齢の減少=消費者の減少であるということです。

最近見られる現象、昔ほど車を買わない、そもそも以前ほどモノを買わない、最近余り本や雑誌を読まない、モノを送らなくなったし車にも乗っていない、近頃余り肉や脂を食べないし、酒量も減った、水も昔ほど使っていないなどはを、これは正に退職後の高齢者世帯の行動そのものではありませんか!!と言われています。

この人口動態の波による内需の縮小の影響は大きく、この状況下では、モノが余って、なかなかコストを価格転嫁できず、賃金も下がってという悪循環に入っています。

ちなみに、
・世界同時不況なのに日本人の金融資産は減らない
・日本は世界中から莫大な金利配当を稼いでいる
・中国が栄えれば栄えるほど日本は儲かる
なども数値を使って示されています。
ではその富はどこに回っているのかというと、高齢者です。

そして、その金融資産を持っている高齢者がお金を使わない、ここが問題だとおっしゃっています。将来不安のため貯蓄を消費に回さないわけです。

ただ、遺産相続などで、若い世代にお金が回れば消費してくれのではと考えられますが、驚きなのは、日本では亡くなる側でなく相続する側の平均年齢が67歳だそうです・・・。

これでは相続しても、将来不安のために貯蓄は貯蓄のままですよね・・・。

この生産年齢人口の減少=旺盛に消費する人口の頭打ちが、多くの商品の供給過剰を生み、価格競争を激化させて、売り上げを停滞ないし減少させます。こういう状況では生産能力増強投資はもちろん、新製品開発投資であっても価格転嫁が困難です。さらには在庫が積みあがり、在庫のたたき売りなどの時価の低下、投資した設備も有効に活用されずという事態が起きてしまいます。

こんな中で、著者が目標にすべきは次の3点だと主張されます。
・生産年齢人口が減るペースを少しでも弱めよう
・生産年齢人口に該当する世代の個人所得の総額を維持し増やそう
・(生産年齢人工+高齢者による)個人消費の総額を維持し増やそう


これらをどうやってやるのかというのを具体的に示したのが、前述した@〜Bです。

@高齢富裕層から若者への所得移転
企業は年功序列賃金を弱め、若者の処遇を改善する。特に子育て中の社員への手当や福利厚生を充実すべき
・高齢者にモノやサービスを買わせるということを、戦略的に追求する。
・政府は生前贈与促進

A女性就労と経営参加
・日本女性の生産年齢人口において、給料の出ない専業主婦や学生や家事手伝いをしている人は、1200万人いる。
・これだけの数の女性が新たに給料を得、その分を夫に気兼ねすることなくモノやサービスをかってくだされば、日本の内需は革命的に向上する。
外国人労働者を導入するよりも、日本語がしゃべれて、その多くが高等教育を受けている女性が活躍する方が、追加的なコストがかからない
・日本人女性の就労率45%は、世界的にみてもずいぶん低い。例えばオランダは70%。
日本では財布の紐を握っているのは8割が女性、女性が企画した方が商品は売れるから、女性経営者を増やすべき。
・女性が働いている方が、出生率が増える傾向にある。理由はおそらくダブルインカムによる金銭的問題。

B労働者ではなく、外国人観光客・短期定住客の受入
・生産者ではなく消費者を外国から呼び込もう。
・副作用のない効率的な内需拡大
・日本を訪れる多くのアジア人観光客にとってはビザ取得が困難、ここをゆるめよう。
わざわざ日本に来るようなアジア人観光客は、日本人などよりもよほどいい家に住んで贅沢な暮らしをしている人、不法就労の問題はないだろう

それぞれの対策の要点は上記のような感じでした。

全体を通して、実際の数値を使った証明で納得感のある本でした。示しているデータは、税務署による全数調査を使われおり、ネットで簡単にみれるデータだということです。
我々が見逃しがちなのは、絶対数です。
完全失業率などの、パーセンテージだけでは、経済の実態を把握したことにはならない。比率と絶対数の二つをみて見極めるべきだというのも著者のもう一つの主張だったと思います。

これからニュースをみる場合には、人口動態、率に加えた絶対数は?と考えるようにしたいと思った次第です。


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posted by air_water at 23:38 | 京都 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする