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2010年07月25日

理工系離れが経済力を奪うを読んで

「理工系離れが経済力を奪う」

作者:今野浩




著者は工学部と経済学部の間を生きてこられた方です。
専門は、OR(オペレーションズ・リサーチ)だそうです。
科学的(数理的)手法を用いて、個人や組織の最適化問題
を扱う学問だそうです。難しい。どういうモデルを定義し
どういう計算で、どういう解をだすのだろうか?
難しいが興味は沸く。

本の構成は、あまりつながりが無いような気がしたが、
工学部と経済学部の学生、教授、考え方などの対比でが
描かれ、その文化の違いを説明されています。

その中で、金融工学の分野でのつながりを説明し、理工系
離れに言及されています。

あとがきの言葉で、心に残ったのが、次の言葉です。
「技術力があれば日本は生き延びることが出来る。その逆
 もまた真である。」


確かに、本書を読むと経済学者の悪い面・良い面あると
思います。特に経済学が悪いと言うわけではない。
しかしながら、お金が余っているところから足りない所に
資金をまわして富が生まれるという金融ビジネス自体が、
健全ではないと思います。

著者は、「金融ビジネスがGDPの4割を占めるアメリカ
の状態は、誰が見ても健全なものとは言えない。」と
言われています。

石油を掘り当てて、富を生み出したなら分かりますが、
お金を移動して富を生み出したでは、本当に富を生み出し
たことになっていないと思います。

資源の少ない日本が富を生み出すには、やはり技術です。
テクノロジーで富を生み出すしかないでしょう。
日本の健全な発展のためには、理工系教育を充実させ
理科系大学への投資を惜しまず、理系企業の技術者を
もう少し優遇すべきです。そんな技術者に憧れを持つ
ような政策が、今後日本が生き延びていく道ではないで
しょうか?

8月には、小学生を相手に、電池とモータ教室を開きます。
少しでも、小学生が科学に興味を持ってもらえるように
努力してきます。



【補足】サブプライムに関してこんな説明をされています。
低所得者層に安易に住宅ローンを貸し出した銀行。銀行
からこの債権を買い取って証券化し、投資家に売りさば
いた投資銀行。そしてその商品の安全性にお墨付きを与え
た格付け機関の無責任トリオは、金融技術を使ったふりを
して、実際にはほとんど使っていなかったのだ。
証券化商品の価格とリスクを計算するには、大変な手間が
かかる。ところが、無責任トリオとこれらの商品の買い手
は、面倒な計算をサボった。皆で渡れば赤信号も怖くない。
と思っていたところに、巨大なトラックが走ってきて、全員
蹴散らされた。






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posted by air_water at 22:51 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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