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2011年01月25日

差分を読んで

「差分」

著者:佐藤雅彦 石川将也 菅俊一


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価格:2,730円(税込、送料別)



ちょっと変わった本です。
分厚い本ですが、中は絵ばっかりです。

恐らく文字だけで説明しても伝わらないと書評を書く前から
感じています・・・。

本書の構成
第1章 点だけで分かる動きと形
第2章 差分による現象の捨像
第3章 差分によって露見した人間特有の認知
第4章 差分が生み出す新しい独特な感覚
が、主構成です。

差分を図解なしで説明するのは難しいのですが、aとbという
二つの絵があるとその絵を見るとaとbにはない情報が見えて
くるというもので、その存在しない情報が脳の答えであり、
差分であるというものです。

よく、小説なんかで行間を読むということがありますが、
その絵バージョンみたいなものが差分だと思います。

行間では、人間の感情とかを推し量ったりするのですが、
この絵の場合は、絵と絵の文脈を補完するものを推し量ります。


人間の関節部を点で表し、動きを追っていくという映像が
ありますが、その点の動きを見るだけで、人間は映像を補完
することができます。

こういう不思議な現象はどこから生まれてくるのかをいうの
を突き止めようとする試みです。

脳科学的検証では、茂木健一郎さんとの対談もあります。

著者の方の考えとは、異なるかもしれませんが、脳内の過去の
記憶、経験、考えのカケラみたいなものが、絵と絵に意味を
持たせているのだと思います。

すなわち、脳内ストックが違えば、補完のされ方も違うのでは
ないでしょうか?


恐らく、この「差分」という本は、読む人によってかなり
捉え方が異なる本だと思います。

ただ、ものの見方を、深く考えさせられた本です。
この本を見なかったら、考えもしなかったことだと思います。

他の人が読んでどう思うのか、教えて欲しい本です。

冒頭にも触れたように、80%以上が絵ですので読むのに
1時間もかからない、大人の絵本といった感じです。
ぜひ一度読んでみてください。



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posted by air_water at 00:02 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 面白い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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