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2013年02月25日

「中卒」でもわかる科学入門を読んで

「中卒」でもわかる科学入門

著者:小飼弾




小飼さんの科学に関する本です。共感するところが多く楽しく読めました。

この本には次のようなことが書いてあります。
・科学を難しいものとして敬遠せずに向き合いましょう。
・現在はエネルギー関連の開発を進めましょう。
・研究姿勢は趣味で科学するといった感じで、失敗しても皆責めない。


科学は一見すると難しいです。嫌実際難しいんだけど、著者は大まかに分かる、ポイントを押さえて科学者と議論するくらいはできると主張されます。

科学者の言うことを理解するための3種の神器は次の3つです。
@四則演算ができる
A単位系が揃っているか判別できる。
B論理的思考ができる。

これくらいだと意外と簡単だなと思えてきます。
四則演算はほとんどの人ができるでしょう。
単位系も少しなれればなんとかなるでしょう。
論理的思考もゆっくり落ち着いて順序立てて考えればなんとかなるでしょう。

本書には素人が専門家の出す数値を検証する方法を具体的に示されています。勉強になるねえ。

今取り組むべき開発はエネルギー関連だと言われています。宇宙開発など魅力的な研究もありますが、とりあえずパケ放題ならぬエネ放題になるくらいまではエネルギーに絞って開発した方がいいよということです。

科学に取り組む姿勢ですが、趣味でやった方がいいとのことです。

過去の偉人たちの業績を紹介した後で、次のように続けます。「先人たちは世界観を変えようとしたのではありませんし、偉大な技術や理論が同時代の人にまったく理解されなかったことも珍しくありません。一方、役に立つことを目指したトップダウンの科学プロジェクトから世界を変える発見が得られることは滅多にないといってもよいでしょう。」

趣味でやってるからこそ、柔軟な発想もでてくるのかなあ。


それから失敗しても皆責めいないようにしましょうという主張もあります。

161ページのコラムの主張に納得です。
「研究とは、誰もまだやっていないことを見つけるための取り組みです。どうやったらゴールにだどり着けるのか、どれくらいのコストがかかるのか、いつまでにできるのか、本当のところは研究者本人にも算出することが不可能です。完全な見積もりを立てることができる研究は、何をどうすればできるのかが100%わかっているはけで、そもそも研究する必要がないということになります。」

さらに、アメリカとの違いで日本は失敗者に厳しい国だと主張されます。計画を承認した政治家、予算を付けた官僚、開発に関わったエンジニアなどに対し、血税を投入した以上、絶対に失敗は許さないぞという雰囲気があるということです。そして関係者は「これは失敗ではありません」という方向に必死で持って行こうとする。本来は、失敗は失敗と認め、失敗を検証し再発防止などの将来の糧とすべきです。この部分が責任追及型の日本では行い難い状態にあります。

こんな、責任追及的な土壌のある日本において、うまくいくか分からない科学の研究を推進するのは非常に辛い仕事になってしまいます。やっぱりアメリカみたいにどんな功績を挙げたかに劣らぬほど、どんな難題に挑戦したかを評価する姿勢こそが重要だと思います。

いろいろと難しい状況ではありますが、可能な限り可能性を明示し、リスクを背負い込んでも、なお明るく楽しく開発やって行きたいところです。



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posted by air_water at 23:08 | 京都 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月25日

理工系離れが経済力を奪うを読んで

「理工系離れが経済力を奪う」

作者:今野浩




著者は工学部と経済学部の間を生きてこられた方です。
専門は、OR(オペレーションズ・リサーチ)だそうです。
科学的(数理的)手法を用いて、個人や組織の最適化問題
を扱う学問だそうです。難しい。どういうモデルを定義し
どういう計算で、どういう解をだすのだろうか?
難しいが興味は沸く。

本の構成は、あまりつながりが無いような気がしたが、
工学部と経済学部の学生、教授、考え方などの対比でが
描かれ、その文化の違いを説明されています。

その中で、金融工学の分野でのつながりを説明し、理工系
離れに言及されています。

あとがきの言葉で、心に残ったのが、次の言葉です。
「技術力があれば日本は生き延びることが出来る。その逆
 もまた真である。」


確かに、本書を読むと経済学者の悪い面・良い面あると
思います。特に経済学が悪いと言うわけではない。
しかしながら、お金が余っているところから足りない所に
資金をまわして富が生まれるという金融ビジネス自体が、
健全ではないと思います。

著者は、「金融ビジネスがGDPの4割を占めるアメリカ
の状態は、誰が見ても健全なものとは言えない。」と
言われています。

石油を掘り当てて、富を生み出したなら分かりますが、
お金を移動して富を生み出したでは、本当に富を生み出し
たことになっていないと思います。

資源の少ない日本が富を生み出すには、やはり技術です。
テクノロジーで富を生み出すしかないでしょう。
日本の健全な発展のためには、理工系教育を充実させ
理科系大学への投資を惜しまず、理系企業の技術者を
もう少し優遇すべきです。そんな技術者に憧れを持つ
ような政策が、今後日本が生き延びていく道ではないで
しょうか?

8月には、小学生を相手に、電池とモータ教室を開きます。
少しでも、小学生が科学に興味を持ってもらえるように
努力してきます。



【補足】サブプライムに関してこんな説明をされています。
低所得者層に安易に住宅ローンを貸し出した銀行。銀行
からこの債権を買い取って証券化し、投資家に売りさば
いた投資銀行。そしてその商品の安全性にお墨付きを与え
た格付け機関の無責任トリオは、金融技術を使ったふりを
して、実際にはほとんど使っていなかったのだ。
証券化商品の価格とリスクを計算するには、大変な手間が
かかる。ところが、無責任トリオとこれらの商品の買い手
は、面倒な計算をサボった。皆で渡れば赤信号も怖くない。
と思っていたところに、巨大なトラックが走ってきて、全員
蹴散らされた。






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posted by air_water at 22:51 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月07日

「ひらめき力」の育て方を読んで

「ひらめき力」の育て方

作者:大嶋光昭




パナソニックの発明家です。
手ぶれ補正、デジタルテレビ放送技術など数多くの業績を
上げられた人です。
久しぶりに、一気に読んでしまいました。

発明をするためのプロセスが分かりやすく説明してあります。
特に、手ぶれ補正に関しては、着想から製品化までの流れが
詳しく説明されており、度重なる苦難を乗り越えるにはどうしたら
いいのかが分かる・・・、というより体験できます。

一種の物語として感動できます。

手ぶれ補正機能付のビデオカメラが発売された時は、電車の中
でしたが、涙を浮べてしまいました。

かなり感動したので、その内容まで書きたいところですが、
そこは、本書を読んでもらうとして、ここでは仕事に生かせる
スキルについて、なるほどと思ったところを書いていきます。

★試作することの大切さ
ひらめきを得た場合は、必ず試作機を作り動作を検証するところ
まで研究を続けます。試作機を作ると頭で考えただけでは出てこない
課題が必ず見つかります


本当に有効な特許は思いつきだけではできません。特許とは
本来、製品が製造できるまでに検討しつくされた発明を保護する
ものです。

良い着想をしても、アイデアだけでは発明になりません。実際に
実験や計算や試作を行い、動作や原理を確認して初めて発明として
完成します


著者は先行文献を読む前に、実験をしたり、実際の製品を分解
したりして、自分なりの観点でモデルを作り考える。
そして自分
独自の観点を持った上で専門家の論文を読む。単に文献を読んだ
だけでは、そこから得た知識が脳の記憶部の深層部まで届かない。
五感を使って得た知識は、いくらあってもひらめきの障害には
ならない。

この試作することの大切さがもっとも感銘を受けた。
その他、心に残ったフレーズを書きます。




****心に残ったフレーズ***********

\新しいテーマに取り組む場合、三ヶ月以内に特許を出願する
ことを目標にしていました。

困ったら、専門家に直接聞く。専門家はプロ中のプロでなければ
ならない。直接聞く目的は枝葉の情報ではなく幹になる基本原理
です。この基本原理の真髄を理解し、平易に説明できるのはプロ
の専門家だけです。
ただ漠然とたずねるのではなく、十分準備した上で、極めて具体
的なアイデアを持って行き質問する。
毎月新しい技術分野を勉強し、新しい技術を発明し月に一回は必ず
特許を出すという目標を立てた。

専門家に自分が出したアイデアの善し悪しを聞く。新しい技術や
発想に寛容で、少なくとも自分の専門分野で成功体験がある人が
望ましい。

分からないことがあれば、知っている人に直ぐに聞きに行く。
気になる事象があったら、すぐにそれを体験しに行く。

どんな専門分野でも3ヶ月あれば特許が書ける程度の基礎知識を
マスターできる。一見、難しいようだが、特許を書く範囲に限定
すれば、誰でも新しい専門分野を短期間に習得できる

壁が立ちはだかっても、その着想を捨てないで自分を信じてやり
抜けるかどうかという執念も重要

同じ効果を生むシステムならば、安い方がいい。その方が価値
ある発明である。

ひらめきは潜在意識下で、ある記憶と別の記憶が結びついた時に
発生する現象です。結びつきの素材が脳の中にたくさんあるほど
有利。またそのひらめきのタネはできれば脳の深い部分に留まる
本質を捉えた内容である。普段から物の本質を捉える癖をつけて
おけばそう難しい作業ではない。

ごく基本的なことなのに、皆が見過ごしていたり気づいていない
ポイントを見つけること。専門家の築いた川を破ることです。

専門知識や経験則は、仕事を進める上で欠かせないものである
反面、大きな発明をする際には障害になる場合がある。

社内の支援人脈を確保することも重要。上に行けば行くほど、
リスクの高い挑戦的なテーマに対する許容度が大きくなります。

35歳までに、きちんと自分のアイデアで、最初から最後まで
やり通した成功をする。成果の大小は問わない。

私たちは、まず、手ぶれの周波数分布や、振幅の感度の測定
からはじめた。手ぶれ現象が学術的に解明されていなかったから
です。感覚的にしか表すことのできない手ぶれ現象を数値化
つまり定量化する必要があったのです。

学術的なアプローチを行い理論的な考察や、定量化のための
実験などを実施。技術者にとって、このプロセスこそが、最も
重要。

技術の特徴と市場の可能性をまとめた企画案をつくり、明確な
ビジョンを示した上で、新しい市場を創るという熱き思いを会社に
伝えることが重要。
新しいプロジェクトが成功するかどうかは最初のプレゼンで決まる
@ビジュアルを含めてインパクトある提示をする。
A技術や市場を十分検討し、数値などの目標を明確にする。

グーグルには20%、3Mには15%、自由な研究をする時間が
ある




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posted by air_water at 04:15 | 京都 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月01日

マクスウェル方程式を読んで

「マクスウェル方程式」

作者:ダニエル・フライシュ
訳者:河辺哲次




工学書です。
特に思考方法などの本ではありません。
しかし、非常に優れた本(わかり易い)なので紹介します。

史上最も重要な方程式と謳われる『マクスウェル方程式』
だけに、焦点を絞った本です。

磁気回路の本を読んでいる時に、マクスウェルの方程式が
出てきて、おぼろげな大学の頃の記憶では心もとないので
本屋で一冊本を買うことにしました。

最初は電磁気ではなく、ベクトル解析の本を買おうと思った
のですが、マクスウェル方程式なるそのものずばりの本が
あったので、買ってみることにしました。

中身は、ほんとにマクスウェル方程式のみです。
ページ数は170ページ程度

工学書を読む場合、論理の歩幅が広く、付いていけない部分が
多々あり、なかなか読み進められないことが良くあります。
しかし、この本は、マクスウェル方程式一本に絞ったこともあり
式の成り立ちを分解し、一つも端折ることなく、順を追って
綺麗に説明されています。

綺麗にという形容が良く似合う、論理的進め方です。

また、それぞれの説明には、その説明文を補うぴったりな
図が、配置されています。
回転や発散の物理的意味、図形的解釈などがあり、ベクトル解析の
勉強にもなります。

とにかく、これほど工学書がわかり易いと思うのは、久しぶりです。

よく、経済書などでも、アメリカの論理的に書かれた文章は
わかり易いといわれますが、そんなイメージを想起する本でした。

まだ、読んでる途中ですが、感動したので感想を書いてみました。
大学で電磁気を学んで、難しいなと感じる方、電磁気学を必要と
する技術者の方、流体・振動・場の理論などでベクトル解析が
必要な方には、ぜひ読んで頂きたい本です。

絶対に損はしないと思いますよ。



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posted by air_water at 23:21 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月16日

プロ技術者になる!エンジニアの勉強法を読んで

「プロ技術者になる!エンジニアの勉強法」

作者:菊地正典




エンジニアの勉強法です。
以前に買って、一読して本棚においていた本です。
今度、社内の技術者を活性化させようという企画に参加することになったため読み返すことにしました。

課題意識を持って読むと、見えてなかったものが見えてきます。
以前に読んだ時は、さらっと読んで、なるほどね、くらいにしか感じてませんでした。

今回は、技術者を活性化するためにはどうしたらいいのか?
具体的には、現在の技術者を取り巻く環境は?理想の技術者とは?
現在の技術者が抱える課題は?理想の技術者に近づくには?
などの観点から、読み進めました。

この観点で、本のフレーズを借りてまとめてみました。
(本を読む中で自分が感じたことも含んでます。)


■現在の技術者を取り巻く環境・課題
・技術そのものが巨大化・複雑化
・世界的規模での競争が激化
(・激しいコスト要求で技術開発開始のハードルが上がった。)
・製品を市場に出すまでのスピードが要求
(・工場が海外へ、現場・現物・現実が遠ざかる)
・計測器がデジタル化し、感性(直感力、洞察力)が磨かれなくなった。
・自由闊達な意見交換の場の減少(喫煙所がなくなる傾向)
・経済的な環境変化によるハングリー精神の欠如
(・世の中全体に余裕がなくなり、知識は教えてもエンジニアの心構えを伝承する風土がなくなった。)
・投資効率の悪い、10年後、20年後の開発に企業は逃げ腰


■理想の技術者
・担当者にしか分からない技術的な感触や見通しも伝えることができる
・複雑化・細分化した中でも、部分最適ではなく全体最適を考えれる
・自分が担当する技術分野における深い知識と知恵を持つ
・全体を見渡せる幅を持ち、他の分野のエンジニアと議論できる
・全体最適化を前提にした個別準最適化ができる
・基礎技術と共通技術を習得している(不易)⇔(流行)先端技術・応用技術
一年経ったら一時間、人を引き付け・感動させるような話ができる
・提案型エンジニア(いくつかの提案をメリット・デメリットで分析し最善策を提案)
「こだわり」と「遊び心」を持っている


■理想の技術者へ近づくために
小さな成功体験を積み重ね、自信ややりがいを育む
 (生産工場の方が有利、責任が明確、目的がシンプル、業績連動、組織がシンプル、自分の仕事の位置づけが明確)
・失敗を恐れずに果敢にチャレンジする
 (失敗から学ぶ、自分は何が悪かったのか?何が不足していたのか?今後どうすべきか?)
  +失敗して初めて他人の苦しみ、痛み、ねたみ、そねみがわかる。
・わからないことは、一番良く知っている人に尋ねて疑問を早く解消する
・ものごとに優先順位をつけて、重要度の高いものから考える
・仮説思考を重視する
・自由闊達なコミュニケーションの場をつくる
・研究・開発・生産の交流
・困難であっても付加価値の高い技術にあえて挑戦
・数学をやり直してみる、物語を読むような感じで
(論理学、集合論、線形代数、微積、ベクトル解析)
・専門分野の英単語は覚える
新技術のニュースなどに接した時、自分なりに調べ、知り合いの専門家に聞き、その技術の将来性を予測する。
・社内外に人脈を作る(気づき、業界動向・情報)
・社内の公式なプロジェクト活動、集団教育や研修、委員会活動へ参加
・プロセス技術を習得するには、製造工程の一つ一つについてそれぞれのプロセス条件が「なぜ、そのように決められているのか?」を考え抜いてみる
・機会を捉えては顧客との情報交流を行い、ニーズに対するアンテナの感度を高めておく
・確実だと思われても、「絶対」という言葉は使わない。
・影日向なく、いつも誠実・真面目に取り組む
(・五年後、十年後をイメージした時の現実とのギャップが課題)

長々となってしまいましたが、この中に技術者活性化の手段がいっぱい詰まっていると思いました。読み返して感じたのは、この本はいい本でしたということです。






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posted by air_water at 00:49 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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