スポンサードリンク

2011年08月19日

創発的破壊を読んで2

創発的破壊

著者:米倉誠一郎




続きです。引き続き、高校生への取り組みとを紹介します。

高校生への取り組みです。10年以上前に、当時、日本経済
新聞社の宮地さんに「高校生にイノベーションを教えましょう」
と提案されたことがきっかけで、
日経エデュケーションフォーラム:高校生のための社会スタディ
が始まったそうです。

この企画は、毎年夏休みに全国の高校生約300人を東京に集め
企業人と一緒にイノベーションや働く事の意味を学ぶ学校
です。

初期は、吉野家やクレディセゾンの社長などを招いて、仕事について
熱く語ってもらっていたみたいです。

高校生の意識改革に取り組まれています。
その中で、講義をベースにした作文テーマが与えられます。
厳正な審査の結果、6〜8人が、優秀賞に選ばれ、中国旅行に
派遣されることになります。

高校生の作文も少し紹介されてますが、文才もあるし、意欲がみられ
ます。

なぜ、中国なのかというと、21世紀を通じて、大切な友人であり、
強力なライバルとなる同世代の中国人と交流してもらうためだそう
です。

そんな、中国派遣にも当選した税所君の話が紹介されています。
この旅行をきっかけに、成績はびりから数えた方が早かった
税所君が、早稲田大学に現役合格します。夢は総理大臣、そのために
まずは、最年少区長になると米倉さんに話たそうです。

相談を受けた米倉さんは、「小さい、小さい。もっと大きな目標を
立てろ」とはっぱをかけます。

そこで、見つけてきたのが、グラミン銀行です。グラミン銀行の説明
は省きますが、そのグラミン銀行を作ったユヌス博士の下で、ボラン
ティアをすると言い出した
そうです。

その後・・・

ユヌス博士の下でボランティアをしながら、バングラディシュの
教育事情の問題点
に気がつきました。
それは、先生が圧倒時に足りないことです。
税所君は、そこで、偏差値28の自分がなぜ早稲田に現役合格できた
のか?
を思い返し、東進ハイスクールでのビデオ授業をバングラ
ディシュで広げることを思いつきました。
ビデオ授業は、自分のわからない事を何度も見返せるし、なにより
いつでもどこでも授業ができる。

ユヌス博士に相談すると、「素晴らしいじゃないか、相談なんか
している場合じゃない。Do it,Do it,Go ahead
」と叱咤激励されて
ビデオ授業を開始しました。

結果として、ダッカ大学をはじめとして5校の国立大学合格者を
出しました。

かなりはしょってますが、この内容は税所君著の
『前へ!前へ!前へ!』に詳しく説明されてます。


これもイノベーションです。こういう取り組みができている人が
増えると日本は必ず良くなると思います。


後は、日本の歴史に学ぶということで大隈重信の話もされています。
これも必見です。今の日本にダブルところが多いです。

米倉さん曰く「歴史は繰り返す。歴史を学ばない者には」です。

最後に、米倉さんの提言です。

@脱原発・脱炭素社会を支えるクリーンテクノロジーの世界的リーダー
 となるために、当面あらゆる分野で30%の省エネルギーを実現する
A最新技術や最新社会概念に基づいた5つのスマートシティを東北地域
 に建設する
Bそれを実現するための権限委譲された5つのとっくを新設し、将来の
 都市国家建設の第一歩とする
C特区の復興調達に関しては、アファーマティブ・アクションとして
 外国籍企業、中小企業そして設立3年いないの新興企業の調達枠を
 設ける


こういう風に、きっちりと提言できるところが素晴らしいですね。


この記事にトップに


にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ にほんブログ村
ランキングサイトに参加しています!!
クリックして頂けるとありがたいです!!

posted by air_water at 09:37 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | マネジメント・オブ・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月18日

創発的破壊を読んで1

創発的破壊

著者:米倉誠一郎




新聞みたいなカバーが目を引きます。執筆者と題名が異様に
大きいですが・・・。

米倉さんの講演を昨年聞きました。非常にパワフルな人でした。
最近、創発という言葉を目にするのですが、漠然としか意味を
摑んでなかったので、wikipediaで調べて見ました。

ウィキペディア調べ
創発(そうはつ、emergence)とは、部分の性質の単純な総和に
とどまらない性質が、全体として現れることである。局所的な
複数の相互作用が複雑に組織化することで、個別の要素の振る
舞いからは予測できないようなシステムが構成される。

一つの論を練り上げていくというよりは、書き溜めたものを
まとめてある本なので、各章のつながりはやや強引である。

しかし、パワフルな米倉さんの活動は、まさしく創発という
言葉にふさわしく、特に高校生に向けた取り組みがスゴイ



内容は、
震災以降の日本を紹介し、新しい資本主義について論じ、
既に起きている未来として
・旭山動物園
・日本理化学工業

を紹介し、

ソーシャルイノベーションとして
・グラミン銀行
を紹介し、

高校生のための社会スタディでは、
・その取り組み
・そこから羽ばたいた若者の話
を紹介し、

世界からみた日本と世界から学ぶことの重要性を説いた後

日本の歴史から学ぶということで
・大隈重信
を紹介し、

最後にまとめている。


米倉さんは、イノベーションは技術だけではないと主張して
いる。シュムペータやアバナシーのイノベーション定義で
説明している。ちなみに私は、アバナシーのイノベーションを
技術と市場という切り口で説明した図が分かりやすかった


旭山動物園日本理化学工業グラミン銀行も技術ではないが
イノベーションである。どちらかというと企画的アイデアと
言えるが、斬新でみんなの注目を集め、ビジネスとしても上手く
言っている。

それぞれの企業を紹介したいが、それぞれで何冊も本が出てい
ると思うのでそちらを読んでいただくとして、


日本理化学工業紹介の時に、その社長が、なぜ、身障者の従業員は
あれほど熱心に仕事をし、仕事ができなくなることを嫌がるのか?
と考えていた時に、お坊さんに聞いた言葉
を紹介します。

お坊さん「幸せとは、@人に愛されること、A人に褒められる
こと、B人の役にたつとこ、C人に必要とされることです。
愛はともかく、あとの3つは仕事で得られることですよ。

とおっしゃった。普通の事だけど忘れかけていることを
思い出させてくれたような気がします。
また、@からC全ての始まりが人です。人間は、他者との関わり
の中に幸せを見つけていくのだとも感じました。

一番感動した高校生への取り組みが書けてないですが長く
なったので、次回にします。

続きを見る


にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ にほんブログ村
ランキングサイトに参加しています!!
クリックして頂けるとありがたいです!!

posted by air_water at 11:17 | 京都 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | マネジメント・オブ・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月13日

技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのかを読んで

技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか

著者:妹尾堅一郎




妹尾さんは講演の中で、経済産業省の半分以上がこの本を読んで
いるよ。と言われてました。

遅ればせながら、本の普及と自分の技術開発を見直すために
読む事にしました。話が超面白かったというのもあるんだけどね!

この本の主題は、本の題名の通りです。

イノベーションというものの変化に着目しています。
かつてはイノベーション=インベンションでした。
一つの画期的な発明がイノベーションを起こしていました。

それが、変わって来ているよという話
発明をしたところでそれが普及しなければ、その発明は知られる
ことなく廃れていくわけです。すなわち
イノベーション=インベンション×ディフュージョン
になっているわけです。

発明を広めてこそイノベーションなのです。

事例としてインテル・インサイドの話が最もわかり易い例なのですが、
妹尾さんの講演会を聴いて」で取り上げたので、そちらをご参照
ください。

発明を広めるために技術をオープンにして市場を拡大するのです。
肉を切らせて骨を絶つ作戦です。
また技術が複雑化していくととても自社だけでは開発できないという
ことになってきます。例えば携帯電話などでは1万件以上の特許
からなっているそうです。
そうなってくるとクロスライセンスするとか、共同開発をやるとか
の技術開発の脱自前化が必要になってくるわけです。

そこで議論すべきは、どこを技術開発の要所として自社で囲い込み
どこをオープン化するのかということ
になってきます。

著者は三位一体の開発といって、本文中何度も登場させている次の
ことを考えていくことが重要だと説いています。

@製品特性(アーキテクチャー)に沿った急所技術の開発
A「市場の拡大」と「収益確保」を同時達成するビジネスモデルの
 構築
B独自技術の権利化と秘匿化、公開と条件付ライセンス、標準化
 オープン等を使い分ける知財マネジメントの展開


欧米のビジネスモデルを後おいで真似るということも大事だと
思いますし、単なる後おいでいいのか?という指摘もわかります。
欧米を越える新しいビジネスモデルを考える必要もあるかと
思います。

ただ、これらの成功したビジネスモデルや、なぜ日本が負けているの
かに真剣に向き合って考えることが重要なのだと思いました。

その他、
「インテグラル」と「モジュラー」の話や
「プロダクトイノベーション」と「プロセスイノベーション」
対比から日本企業の問題点を指摘されている話も面白いのですが、
長くなってきたのでこのあたりでやめにして、詳細は本書をお読み
ください。



にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ にほんブログ村
ランキングサイトに参加しています!!
クリックして頂けるとありがたいです!!

posted by air_water at 08:05 | 京都 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | マネジメント・オブ・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月25日

理系の企画力!を読んで

「理系の企画力!」

作者:宮永博史





東京理科大学でMOT大学院教授をされている方です。
マネジメントオブテクノロジー本の2冊目です。

ヒット商品を生み出すにはどうしたらいいのか?各章に
分けて、実例を紹介しながら説明されています。
各章の表題がそれぞれのコンセプトになっていますので
紹介します。

@現場は観察するだけでなく、実際に体験する
A一面からのモノの見方にこだわらない
B使う人が求める究極の我侭こそ、発想基準
Cはじめにコンセプトありき
D優れた技術は感動を生み出す
E最初から二兎を追う
F異なる分野の技術を結集する
G技術は分かりやすく翻訳する
H商品はロングセラーを前提に考える

各章、それぞれ2,3の実例があります。
すべてを紹介はできませんが、私が印象に残ったもの
を紹介します。

洗濯機開発の成功事例です。
その技術者数名は、ある日、「一年間ぶらぶらしていないさい。
会社のルーティンワークはしなくていい。出社しなくてもいい。
新しい洗濯機の商品企画だけに専従するように」

と命じられたそうです。
彼は最初は、その命に何をすればいいのかと戸惑いながら
着手します。すぐにはそんないいアイデアなんかでません。
周りの人からは、何もしなくていいなあという冷たい視線が
飛んでいるように感じられる。
苦しみながらも、毎日洗濯機を回し続けました。実際に使い
続けると分かっているようで分かっていなかったことに気づき
ます。洗濯日記をつけました。
衣料がどのように変化しているのかも、アパレルメーカ、
百貨店、クリーニング店に足を運び調べました。
専門家のヒアリングとともに、実際の主婦にもモニターになって
もらい意見を聞きました。それでも新しい商品企画は出てき
ません。
思わぬところにヒントがありました。業務用洗浄機械の展示会です。
会場を回るうちに布団の丸洗い機が目に止まりました。
布団は綿が入ってますから、機械で洗うと綿が傷んでしまいます。
洗浄液が高速回転させ水流をつくります。布団を回転させることなく
その水流を布団の中に通過させ、汚れを取るというものです。
そんなことで本当に汚れが取れるのかと疑うが、排水を見れば
一目瞭然、排水液は真っ黒に汚れています。

洗濯物を傷めずに洗うことの重要性、洗浄液を何度も通過させる
循環式技術などの気づきを踏まえて、衣類を傷めずに洗う
新しい洗濯機のアイデアが固まっていきました。

いろんな技術者の助けを得ながら、試作機を作り、売り込む段階に
入りました。営業の人からは、衣類を傷めずに洗うというのが宣伝
し難いと最初は受け入れられませんでした。30%節水や洗浄能力
を買えずに20%短縮とかの方が説明しやすいとの主張です。
そこで開発者は、どうしたらお客さんにこのすごさが分かってもら
えるかを考えました。そして視覚に訴えるために、ビデオを製作
しました。それは、ズボンのポケットに入ったハンカチの汚れを
落とすというものです。洗浄液通過型の洗濯機ならズボンのポケット
に入ったハンカチの汚れも落とせるはずだ
ということで実際に
試してみると予想は的中し、従来の洗濯機との違いが一目瞭然です。
これを営業に渡すとこれは宣伝しやすいということで、早速売り込み
をかけ、大ヒット商品につながりました。

この成功事例をハタから見るとドラマチックですが、実際にやれるか
というとなかなか難しいなと思います。一年間ぶらぶらしなさいと
命令を出したトップの判断、実際の開発にあたった技術者たちの執念
並大抵のものではないと思います。
しかし、商品企画というものは、企画チームだけがやるのではなく、
技術者も入り混じって、行うものなのだなと感じます。
成功するには、そういう組織風土を醸成していかなければならない
とも感じます。一年間ぶらぶらするのが普通に感じられる組織風土
です。「今年はおまえが”ぶらぶら”か」などと言い合っている会社
を見てみたいです。




にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ にほんブログ村
ランキングサイトに参加しています!!
クリックして頂けるとありがたいです!!

posted by air_water at 12:48 | 京都 | Comment(0) | TrackBack(0) | マネジメント・オブ・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月17日

MOT経営入門を読んで

「MOT経営入門」

作者:JMAC RD&E





マネジメントオブテクノロジーの本です。
技術系のMBAとも言われています。

MOTの狙い
魅力在るものを想像する力を強化し、先進的で魅力ある商品
を他社が追随できない独創的な技術で実現し、顧客・
企業価値の最大化を図ることであり。そのためには技術者の
能力を最大限活用、発揮させるマネジメントが重要となる。


マネジメントする対象はこんなもの
・技術の品揃え
・適切な人材獲得・配置
・研究・開発・設計ツール整備
・アライアンス計画
・コア技術の見極めとアウトソース計画
・技術ロードマップほかによる未来シナリオ立案
・開発テーマ評価
・ナレッジマネジメント推進

技術力を磨くだけでは、真にお客様が願う商品に結びつくとは
限らない。お客様の要求を知り、それを解決する技術を磨く
ことが重要である。実りある開発ができる。

魅力ある商品とは
@ダントツ商品・・・従来の競争路線と同様であるが改善レベル
          ではなく革新レベルである。
Aプラスアルファ商品・・顧客は同じでも、競争路線を外れる
            新たな価値を提供
            ※洗剤のいらない洗濯機など
B新用途・使い方商品・・ターゲットを変え新市場創出
            ※ソニーのウォークマンなど
             家で聴く人から外で聴く人へ
@〜Bが顧客の感動が得られる商品である。

こんな魅力ある商品を目標に掲げ、それに必要な要素技術は何か
を考える。その時には、全て自社で開発するのではなく、自社の
コア技術とするもの、他社と共同開発するものと分けて効率よく
開発するのが、変化の早い時代では必要になってくる。



今まで、あまり関心がなかったが、技術をマネジメントする
ということは、大分古くから言われていたみたいだ。
本を読み進めると、今まで社内で起こっていた変化がこの考え方
のもと進められていたのが分かる。
特に、ナレッジマネジメントのところは耳が痛い。
知識をシステムで共有化するナレッジマネジメントは、システムを
導入しただけでは失敗に終わる。組織風土の改革が必要。
すなわち、社内の全員がシステムを使いこなしてこそ威力を発揮
するということ。
私の部門ではナレッジマネジメントシステムはあまり活用されて
いない。確かにあまり興味がなかった。システムや制度を導入する
のが好きな会社だな・・・、などと思っていた。
この本を読んで、そのシステムを導入しようとしたトップの主旨を
理解せずに、非協力的な態度を取っていた自分自身が、システムを
ダメにしていたのではないかと目が覚める思いだった。


今現在も、開発ツールの推進や開発テーマの評価制度など進めてい
る手法があります。これらの取組には積極的に参加し、組織風土
改革の一旦を担えればなと思っています。




にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ にほんブログ村
ランキングサイトに参加しています!!
クリックして頂けるとありがたいです!!

posted by air_water at 20:13 | 京都 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | マネジメント・オブ・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。