著者:ティモシー・テイラー
分かり易い事例を用いて、経済学の用語や枠組みを説明している本です。最初の方で、経済学・経済学者養護や、経済学者はすごい的な発言のところだけ論調が好きになれませんでしたが、ミクロ経済の内容が多少分かって良かったです。
好きになれなかった点は最後に書くとして、最初の方に経済学を考える上において頭においておいた方が良い問いが3つあるとしています。
@何を社会は生み出すべきか?
Aどうやってそれを生み出すのか?
B生み出されたものを誰が消費するのか?
この本を読んでなるほどと思ったのは
・弾力性
・負の外部性と正の外部性
の2つです。
需要の弾力性は、(需要量の変化率)÷(価格の変化率)で表されます。価格を変えたときに需要がどのくらい変わるのか?という指標です。簡単な例でいうとたばこは常習性が強いので価格を大きく変えても需要量はそんなに減らない。だからたばこは弾力性が小さいとなる。逆にオレンジジュースとかは価格が上がると別の例えばアップルジュースで代用できるので需要量は大きく減ります。従って弾力性が大きい。こういうのを調査するために使えます。
変化率を使えば、世界中のあらゆる商品が比較できるので便利だそうです。併せて絶対値も見逃さないようにしなければならないですが、この考え方は知れてよかった。
もう一つは負の外部性と正の外部性です。外部性とは、ある経済行為によって、直接の売り手と買い手以外の誰かが影響を受けることです。外部性には正と負があり、簡単なたとえでは「環境破壊」と「事業化できなかった発明」です。「環境破壊」は破壊や汚染を考慮しなければコストをやすくできますが、地域住民が影響を受けます。「事業家できなかった発明」は、事業の収益には反映されませんが、他の誰かが恩恵を受けることになります。この考え方も面白い考え方で知れて良かった。
後は、「機会費用」、「割引現在価値」、「国際的なカルテルは誰が裁くのか?」「魚を与えるか、釣りを教えるか?」など面白いところがありました。
<論調が好きになれなかった点>
・経済学は特定の答えを提示するものではなく、答えを導き出すための思考の枠組みを与えてくれるものなのです。
・経済学は未来を予測する技術ではありません。それなのに世間の人たちは、経済学者が景気の後退や回復を予言すべきだと考えています。(P.24)
・経済学は特定の政党を後押しするようなものではありません。経済学とは、そうした問題を考えるための思考の枠組みを提供するものなのです。(P.25)
なんで、「思考の枠組みを提供」と「政策を提示」の間に一線を画することを明示しなくちゃいけなかったのかな?経済学の目的はなんなんだろう。
・経済学者はもっと広い視野でものごとを考えます。
・経済学者はあらゆる策のコストを検討し、トレードオフを考慮に入れます。ところが、政治家は人々の目からコストを隠そうとします。(P.71)
すっごく主観的な感じがしてこの論調が好きになれませんでした。
全体的に、ためになったからいいか・・・。
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